新庄監督がど派手会見で明かした“真面目な野球観” 作戦、全員競争、重要なメンタル

「顔と名前は全く知らない」けど「プレーはしっかりインプット」

 監督のオファーを待っていたこの1年、12球団の選手をじっくり勉強してきたという。日本ハムの選手について「選手の顔と名前は全く知らない」と言った後で、こう付け加えた。「プレーはしっかりインプットしている。だから、キャンプで顔と名前とプレーの答え合わせをして、いいチームをつくっていきます。(スタート)ラインはみんな一緒」と先入観なくキャンプに臨む。

 オフの過ごし方についても注文をつけた。「キャンプに入る前、スタートラインに立った時にはほぼレギュラーは決まっていると思います。だから、オフシーズンに自分でいろいろ考えて、体をつくって、頭の中をアップデートして、このラインに立って。厳しくなると思います、僕がやってきたので。そういう気持ちでオフシーズンを過ごしてください」とカメラに向かって熱く語りかけた。

 選手育成にあっては、人間性重視を掲げた。「人間性は大事。人の悪口を言わない、いただきます、ありがとうございましたと言える選手を育てたい。プライベートの生活は後に役立つよと教えていきたい。プレーはみんなすごくうまい。きっかけさえつかめば、ドカーンといくと期待しています」。現役時代に可愛がっていた森本稀哲氏が成長した具体例を挙げながら、人間教育への思いを語った。

 型破りな新監督は、メンタルコーチと外野守備コーチも兼ねることになりそうだ。「プロの世界、レベルはほぼ一緒。自分はメンタル面に関して引き出す力があると思う。鍛えながら、投手3人、野手4人、タレントをつくり上げていけば楽しいチームになる」と選手のモチベーションアップを担う。さらに稲葉篤紀GMに「GM兼左打者専用の打撃コーチをしてください」とお願いし、「僕も監督兼外野守備コーチという気持ちでやるので」と約束した。

 北海道移転後の輝かしい歴史を築いた新庄監督と稲葉GMがこれだけの情熱を持って直接指導にあたれば、選手の目の色も変わるはずだ。「なんでもトライするチームにしていきます」と力強く宣言して幕を開けた新庄劇場から目が離せない。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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