鷹・千賀滉大、なぜ免除だったキャンプに参加? 期間途中からでも宮崎入りした理由
「細かいことを知っているトレーナーさんがこっちに来ている」
千賀は明かす。「オフはこうしていこう、というのを1軍のトレーナーさんとしていました。細かいことを知っているトレーナーさんがこっちに来ているので、やるべきことに取り組むために、その人の力も借りながら、やっていた部分もあるので(キャンプに来た)。自分1人では、できていると思っていても、できていないことってあるので」。オフに取り組もうと考えていたテーマ。それを理解している勝手知ったるスタッフの下で取り組むためだった。
常に向上心に溢れている千賀。今季は怪我で前半戦はほぼ投げられなかったが、東京五輪で金メダル獲得に貢献。さらに、五輪後は獅子奮迅の活躍で、後半戦だけで9勝を挙げた。球界でも最高の投手の1人になっても、満足することはなく「投げていく中でまだまだロスがある感じは分かっていますし、パフォーマンスをもっともっと上げていかないといけない。今年に関しては、考えることよりもマウンドでとりあえず結果を、というところに重きを置きながら投げたので」という。
昨季まで4年連続で日本一となり、主力選手は秋季キャンプでじっくりと課題に取り組むことはしばらくなかった。5年連続の栄冠を逃し、悔しい思いこそしたが、そこをプラスに変えなければならない。「オフになったらああしたいこうしたい、と出てくる。例年にはない時間をもらっているイメージなので、ゆっくりやれるんじゃないかと思っています」と千賀自身もこの秋の重要性を感じている。
今季はふくらはぎの怪我で出遅れ、復帰戦で左足首を負傷。前半戦はほぼ戦力になれなかった。それだけにこのオフへの思いは強い。「怪我せずに1年やって、チームに貢献できるようにやりたいと思いますし、怪我で投げられないのはつまらない。充実した野球生活を送れるのは1軍で野球をやれることだな、と今年改めて思ったので、怪我というところに意識持って、この2か月、3か月過ごしたい」。実りの秋にするべく、志願して秋季キャンプで汗を流す。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)