「あれが全て」と専門家が激賞 燕CS白星発進を呼んだ塩見の“遊飛タッチアップ生還”

レギュラー初年度にリーグ優勝、野球人生左右しかねないピンチも

 さらに塩見は3点リードで迎えた7回1死三塁でも、巨人3番手の畠から左前へダメ押しのタイムリー。4打数2安打1打点の活躍だった。レギュラーシーズンでは今季初めて定位置を確保し、打率.278、14本塁打59打点21盗塁。一方で三振数は、阪神・佐藤輝明内野手の173に次ぐリーグ2位の156を記録した。

 野球人生を左右しかねないピンチもあった。9月21日の広島戦。3点リードで迎えた7回の守備で、無死一、二塁から宇草が放った中前打をまさかの後逸。ボールが転々とする間に、走者2人に続き打った宇草まで生還。一気に同点とされ、結局試合にも7-11で逆転負けを喫した。残り5試合で優勝マジックを3にしていたものの、2位阪神には0.5ゲーム差に肉薄され、もしV逸となれば“世紀の大エラー”と呼ばれていたかもしれない。

「チームがリーグ優勝を果たしたことで、塩見の野球人生が救われたと言っていいと思います」と野口氏。失敗を挽回して余りある殊勲の活躍、抜群の身体能力を生かしたスーパープレーが飛び出すところが28歳・塩見の魅力だ。今年の短期決戦ではどんな爪痕を残すか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY