「あれが全て」と専門家が激賞 燕CS白星発進を呼んだ塩見の“遊飛タッチアップ生還”

ヤクルト・塩見泰隆【写真:荒川祐史】
ヤクルト・塩見泰隆【写真:荒川祐史】

三塁コーチから「体勢が悪かったら思い切って行け」との声

■ヤクルト 4ー0 巨人(CSファイナル・10日・神宮)

 ヤクルトは10日、本拠地・神宮球場で行われた「JERA クライマックスシリーズ セ」ファイナルステージ第1戦で、巨人に4-0と快勝。アドバンテージを含めて2勝0敗とした。勝利をグッと引き寄せたのは、1回の塩見泰隆外野手の好走塁だった。プロ4年目の今季ブレークを果たし、昨季まで2年連続最下位のチームをリーグ優勝へ押し上げた塩見が、短期決戦でも存在感を示した。

 レギュラーシーズン同様「1番・中堅」でスタメン出場した塩見は1回、巨人先発の山口から左中間を破る二塁打を放ちチャンスメーク。続く青木宣親外野手の投ゴロで三塁へ進むと、1死一、三塁で4番・村上宗隆は遊撃後方へ飛球を打ち上げた。これが本塁から中堅方向へ強く吹いていた風に流され、背走した遊撃手・坂本が捕球の際に体勢を崩すと、三塁走者の塩見は果敢にタッチアップからスタート。見事先制のホームを奪った。

 塩見は試合後のお立ち台で「(三塁コーチの)福地(寿樹外野守備走塁)コーチから『体勢が悪かったら、思い切って行けよ』という声が聞こえたので」と明かした。

「あの走塁が全てだったと言ってもいい。完全にヤクルトのペースになりました。巨人サイドは、まさかタッチアップしてくるとは思わなかったでしょう」。こう評したのは、現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で通算21年間捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏だ。

「最終的に坂本が捕球したのは、左翼手のウィーラーが捕ってもおかしくない位置でした。ウィーラーが後ろから来て捕っていれば、さすがの塩見もスタートを切れなかったと思います」と付け加えた。運も燕に味方したのだ。

レギュラー初年度にリーグ優勝、野球人生左右しかねないピンチも

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