目立たぬ“サブキャラ”がプロ指名を受けるまで…恩師信じて夢果たした155キロ左腕

あきらめずにプロを目指して再挑戦、才能が開花

「ずっと“サブキャラ”だった自分を必要としてくれているのは、やっぱりシンプルにうれしかったです。プロを目指したいと思うようになりました」

 しかし、大学4年生だった2019年のドラフト会議では指名漏れした。もう野球を辞めようかと思った時、頭の中に浮かんだのは「プロに行ける」と期待してくれた2人の指揮官や両親、応援してくれた人たちの顔だった。

 ユニホームを脱ぐのは、まだ早い。感謝の思いもあって、再びプロを目指す覚悟を決めた。社会人野球の熊本ゴールデンラークスを経て、今季は九州アジアリーグに参戦する火の国でプレーした。野手としての能力も評価されていた学生時代と違い、自らの希望もあって投手に専念。ついに才能が開花した。

 左腕からのストレートは最速155キロを記録した。課題のコントロールも改善、19セーブでタイトルを手にした。そして、ドラフト会議では中日から3位指名。「プロに行ける」と評価した2人の恩師の目が、間違っていなかったことを証明した。あきらめずに野球を続けて辿り着いた華やかな世界のスタートライン。“サブキャラ”から主役へと華麗に転身した。

 心折れ、野球を辞めてもおかしくないポイントはいくつもあった。それでも挑戦し続けられたのは、期待してくれた恩師の“言葉”があったからだ。次は中日のクローザーという大きな夢を抱いて、プロの世界に飛び込む。

(First-Pitch編集部)

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