台湾プロ野球を1試合で戦力外…再びNPB目指す右腕を支える新庄剛志氏の“深すぎる”言葉
新庄剛志氏から届いた言葉「誰に負けてもいい」
台湾を離れる時、応援してくれた人たちに一報を入れた。そのうちの一人が今、まさに時の人でもある新庄剛志氏だ。昨年の12球団合同トライアウトで対戦したことをきっかけに交流がスタートし、近況を報告するようになっていた。
「(日本ハムの)監督に就任なさる少し前に、帰国するという連絡をしました。その時に『楽しんで努力して、自分に勝ちさえすれば、誰に負けてもいい。やっていれば誰かが見ていてくれるなって、つくづく思った。これからの人生も楽しむんだよ』という言葉をいただいたんです。めちゃくちゃ深いなと思いましたね。
新庄さんは去年トライアウトに挑戦して現役復帰は叶わなかったけど、結果として1年後にプロ野球のユニホームをもう1回着ることになった。周りは気にすることなく、自分からアクションを起こした結果として今がある。僕にもそういうことを投げかけてくださったんじゃないかと思っています」
自分の気持ちに対して正直に行動すれば、誰かが見ていてくれる――。新庄氏の結果を伴った言葉は、高野の心に刺さった。
「僕が台湾にいる間、日本で活躍する同級生や仲間を見ると、やっぱり羨ましい気持ちや悔しい想いがありました。でも、そこはいくら比べても仕方ない。誰かと比べるのではなく、自分に勝ちさえすればいい。努力していれば誰かが見てくれている。その言葉で、僕が半年間、台湾でやってきたことが肯定された気持ちになりました。勇気づけられましたね。今も練習を続けるのは、たとえ実を結ばなかったとしても、自分でやったという事実を残したいし、自分に勝ちたい。挑戦していきたいと思います」
NPB復帰への道は11月、12月が勝負となる。どんな結果になろうとも、自分に勝つという軸はぶらさず挑み続ける。
(佐藤直子 / Naoko Sato)