新庄剛志監督の現役復帰は「ゼロではない」 元日本ハム統轄本部長が見るワケ

日本ハムのチーム統轄本部長を務めた三澤今朝治氏【写真:荒川祐史】
日本ハムのチーム統轄本部長を務めた三澤今朝治氏【写真:荒川祐史】

弱いチームが頂点へ、2004年の北海道移転当時と重なる現状

 思い出すのは、北海道移転1年目の2004年2月の沖縄・名護キャンプだという。新庄が入団して、話題を一人占め。東京時代20~30人だった報道陣が150人も集まり、休日でも300人程度だったファンが平日に数千人という大フィーバーになった。

「当時の日本ハムは地味な選手ばかり。ファンに対してのアピールも下手でしたし、ファンの力が自分たちのプレーにどれだけ影響を与えるのか分からない選手が多い中、彼が来て、注目されました。そこでアピールしようという者が出てきて、良いプレー、良い結果につながっていったんです。そういう潜在能力を彼が引き出したんですよ。今もそれを選手にやらせようとしているんですよね。低迷しているチームに」と語り、2006年優勝へとつながっていく2004年キャンプと現状を重ね合わせた。

 日本ハム選手時代のパフォーマンスについても三澤氏は「時期をみるとチームが低迷している時にやっていたんですよね。ただ闇雲に自分が目立ちたいとか、面白いからじゃなくて。ファンを喜ばせるのもあるんですけど、チームを活気づかせるために全部計算してやっていたんです」と振り返る。

 チームは3年連続5位と低迷し、観客動員数も2018年以降200万人に届いていない。今年は選手の暴力問題など暗い話題も追い討ちをかけただけに、新庄監督への期待は大きい。「再来年、新球場ができる。そこに向かう一番良い時期になってくれたと思います。監督という立場なら自分の考えや思っていることができ、やりたいチームをつくれるはずです」と救世主の登場を歓迎した。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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