花巻東・佐々木麟太郎、高校通算49号も「まだまだ」 無念の準決勝敗退に悔しさ吐露

高校通算49号となる3ランを放った花巻東・佐々木麟太郎(左)【写真:荒川祐史】
高校通算49号となる3ランを放った花巻東・佐々木麟太郎(左)【写真:荒川祐史】

8回に一時同点3ラン、3安打5打点の大暴れもチームは準決勝敗退

 第52回明治神宮野球大会は23日、東京・神宮球場で高校の部の準決勝が行われた。1年生ながら高校通算48本塁打を誇る花巻東の佐々木麟太郎内野手は第1試合に登場。9-10で広陵に敗れるも、一時同点となる49号を右翼席に放り込み観客を沸かせた。

 第1打席は広陵のエース森山陽一朗投手(2年)の緩いカーブに見逃し三振。チームは2回に一挙5失点し、以降毎回得点を許す苦しい展開となった。

 佐々木の第2打席。2ボール1ストライクからの4球目。「ゴツン」。左脚の踝付近に受けた死球は神宮球場2階席まで鈍い音が響き、打席に倒れ込んだ。「勝つために自分が出ないといけない。痛みはあったけど堪えて気持ちで臨みました」と臨時代走が送られるも、その後は元気よく走って守備位置についた。

 一時7点差をつけられても佐々木は「なんとか逆転できる。勝負しようと思ってやっていた」。第3打席で右前打を放つと、6点差で迎えた7回の第4打席では左翼手の頭上を超える2点二塁打。さらに、8回2死一、二塁。一発が出れば同点の場面で打席に向かった。「終盤自分に回すという言葉をいただいていた。ここでさらに流れ持ってくると思って打席入った」。3球目を豪快に空振りした直後の4球目。右翼に高々と上がった打球はスタンドに飛び込んだ。「気持ちでスタンドに持っていった」。49号本塁打は大きな同点弾。ダイヤモンドを一周しながら拳を突き上げた。

 しかし、その裏1点を勝ち越され、チームは9-10で準決勝敗退。初めての全国の舞台で2本塁打を放った怪物1年生からは反省の言葉ばかりが並んだ。「自分はまだまだ足りないこと多い。スイングに力をつける、変化球に対応すること。レベルアップすることがまだまだあるのでチームのためにレベルアップしていきたい」。強烈なインパクトを残して神宮を去ったスーパー1年生。日本一の雪辱は来春の選抜の舞台で果たす。、変化球に対応すること。レベルアップすることがまだまだあるのでチームのためにレベルアップしていきたい」。強烈なインパクトを残して神宮を去ったスーパー1年生。日本一の雪辱は来春の選抜の舞台で果たす。

(市川いずみ / Izumi Ichikawa)

市川いずみ(いちかわ・いずみ) 京都府出身のフリーアナウンサー、関西大学卒。山口朝日放送アナウンサー時代には高校野球の実況も担当し、最優秀新人賞を受賞。学生時代はソフトボールで全国大会出場の経歴を持つ。

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