20歳太田椋を抜擢のオリ中嶋采配がズバリ… 専門家も感嘆「今季を象徴する勝ち方」
太田は今季、開幕先発出場果たすも53試合出場にとどまった
オリックスは続く代打モヤも右前適時打。8回にも伏見の適時二塁打で加点。その裏、山田に3ランを浴び、いったんは追いつかれたものの、9回先頭の代打ジョーンズが左翼席中段へ決勝ソロを放り込み決着をつけた。大接戦の中で、太田の適時三塁打もオリックスに流れを呼び込む値千金の一打だったと言える。
今年2月に20歳となった太田は、3月26日の今季開幕戦をスタメン「2番・二塁」で迎えた。1歳下の19歳で同様にスタメン遊撃で起用された紅林弘太郎内野手との二遊間は、新生オリックスを象徴していた。しかし、紅林が規定打席数をクリアして2桁の10本塁打を放ち、ポストシーズンでもスタメン出場を続けているのに対し、太田は5月中旬から9月中旬まで2軍暮らし。1軍では53試合出場、打率.172、3本塁打9打点にとどまった。後輩の後塵を拝し、このままでは終われなかったはずだ。
野口氏は3月のオープン戦期間中に中嶋監督と顔を合わせた際、「楽しみな若手がたくさんいるじゃないですか」と声をかけた。指揮官は「いやあ、どれだけ当たることか……」と苦笑していたというが、紅林と同学年の20歳で今季13勝、防御率2.51(いずれもリーグ2位)をマークした宮城大弥投手を含め、若手の奮闘がオリックスにとって大きな推進力となってきたことは間違いない。
息を吹き返した猛牛軍団。地元ほっともっとフィールド神戸で27日に行われる第6戦の先発は、エース山本。第7戦には宮城が控え、逆転日本一へのシナリオは出来上がった。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)