「打てない、守れないで…」西武の“出世順位”ドラ3入団の19歳が経験したプロの壁
1年目は2軍で85試合出場、打率.217で6本塁打だった
今年は主に遊撃を務めたが、取り組み始めたのは高校3年の夏。経験は浅いが、ゴールデングラブ賞を3度受賞している源田壮亮内野手から「言葉では説明できない」というほど話を聞き、その技術を吸収しようとしている。「(以前は)ファーストとサードをやっていましたが、ショートは打者からの距離が違うので、最初は足の運び方が難しかった。源田さんの守備はグラブにボールが吸い込まれていく。何でも簡単にやってしまってすごいと思いました。レベルが違うと感じました」。
ルーキーイヤーは「全てにおいて足りない」と力の差を感じ、打撃、守備ともに基本から取り組み、下半身強化に力を入れた。「バッティングと守備がアピールポイントでしたが、打てない、守れないで……もう、打てない日やエラーした日は落ち込みます。そういう日は、コーチにいろいろ聞いて、ひたすら練習します」。
同じ東海大相模高から2020年ドラフト5位でロッテに入団した西川僚祐外野手とは、よく連絡を取り合っている。「『打てないわー』ってお互いに言っています。今は違うチームになったので、ライバルです。負けてられないなと思っています」。
プロのレベルの高さに落ち込むことが多かった1年だったが、今季まで2軍監督を務めた松井稼頭央ヘッドコーチは「野球センスがある。しっかり体を鍛えてほしい」と期待を寄せる。ルーキーイヤーは2軍で85試合に出場、打率.217、61安打、6本塁打、33打点。その才能を開花させ、1軍で躍動することができるか。19歳の飛躍に期待したい。
(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)