エイジェック都市対抗初出場 元ロッテ小林雅英コーチが選手と交わした「3つの約束」
「僕の頭はもう来年5月の1次予選に向いています」
実は、小林氏を含め監督、コーチ4人は全員就任1年目。「僕らの当初の目標では、都市対抗出場は来年のはずでした」と明かす。「24~25歳の選手が多い若いチーム。創部4年目で伝統もなく、まだまだ足りないところはたくさんあります」。
ところがエイジェックは、1次予選(栃木)を勝ち抜き、2次予選(北関東)でも奮闘。第2代表決定戦でSUBARUに2-1で競り勝ち、初出場を決めてしまった。まるで人材派遣のエイジェックの創業20周年に合わせたかのような、“嬉しい誤算”だった。
小林氏は「結果が出たからといって、過信してはいけない」と投手陣を引き締める。都市対抗は、昨年と今年は東京五輪開催との重複を避けてこの時期に実施されたが、もともとは夏の風物詩。「来年は夏の都市対抗へ戻る予定で、5月には1次予選が始まる。僕の頭はもうそちらへ向いていますよ。追われる立場となる来年は、今年より厳しい状況になりますから」と語る。
今年の本大会は、今月28日の1回戦でNTT西日本(大阪市)と対戦する。7年連続32回目の出場で、昨年もベスト8に進出している強豪だ。「相手の胸を借りて、今の力を出せればいい」と小林氏。初出場に浮かれることなく、着実に段階を踏みながら若いチームを育てていく覚悟だ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)