鷹ドラ4野村「データじゃない。自分を信じて打ちました」 都市対抗でサヨナラ打

サヨナラ打を放ったNTT西日本・野村勇【写真:小林靖】
サヨナラ打を放ったNTT西日本・野村勇【写真:小林靖】

「4番・遊撃」で出場し、9回左前へサヨナラ打

 第92回都市対抗野球が28日、東京ドームで開幕した。7年連続出場のNTT西日本は1点を追って迎えた9回、今秋のドラフト会議でソフトバンクの4位指名を受けた野村勇(いさみ)内野手が左前にサヨナラ打を放ち、2-1で初出場のエイジェックを下した。

 NTT西日本は8回まで無得点。ただ9回、辻本勇樹捕手がエイジェック2番手の金城乃亜投手から中前打し突破口を開くと、1死二、三塁まで攻め立てた。ここで平良竜哉内野手が左前に同点打。さらに申告敬遠で1死満塁とし「4番・遊撃」の野村が初球を左前に運んだ。

 土壇場からチームを勝利に導く劇打を放った野村は「あそこまで行ったら、投手とどう対戦するかだけ。データじゃないなと。自分を信じていきました」とサヨナラの場面を振り返った。強いストレートに合わせて待っていたというが、チェンジアップが甘く、中へ入って来たところを見逃さなかった。

 都市対抗でチアリーダーやブラスバンドの応援活動が行われるのは2年ぶり。野村も「初戦ということもあって、少し固さはありました」と面食らった部分があった。1回1死一、三塁の絶好機に凡退するなど、平常心を失いかけていたが、9回は打席に入る前に大原周作監督に「落ち着いていけ」と言葉をかけられ、冷静になれたという。

 大原監督は「今年で退部してプロの世界へ行くわけですけど、本人が一番決めたいという気持ちが強かったのかな」と“恩返し”に満足気だった。

(羽鳥慶太 / Keita Hatori)

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