なぜ西武は38歳の中村剛也と2年契約を結んだか? 渡辺GMが語った理由と思い

自己最高位リーグ7位の打率.284「毎年キャリアハイを狙っている」

 若手や外国人選手が複数年契約を結んだ場合は、慢心や安心感から成績が急降下するケースもある。しかし、現役生活の“終着駅”が近づいていることを肌で感じ、1試合1打席に魂を込める中村と栗山に、その心配はないだろう。

 渡辺GMは「中村は今年凄く頑張ってくれたが、全盛期に比べれば数字的に落ちる。年齢を重ねて故障も出てきている。そこでクリ(栗山)を含め、複数年を与えられることによって、さらに上を目指してくれたらと思う。福留はいくつだっけ?」と、44歳にして来季現役続行が決まっている中日・福留の名前も挙げて奮起を促した。

 中村自身も「毎年毎年、キャリアハイを出したいと思っている」と請け合ったが、直後に「あまり真に受けないでくださいよ」とおどけたところが“おかわり節”だった。

 実際のところ、中村の今季打率.284は、自己最高の.286(2019年)に限りなく近く、リーグ7位は自己最高位。自己最多のシーズン48本塁打(2009年と2011年)、124打点(2015年)はさすがにハードルが高いが、一方で今季はここぞの場面で右方向への軽打など、若い頃にはあまり見せなかった技術も披露した。来季、複数年契約の効果が“奇跡のキャリアハイ”を生むかもしれない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY