今季で引退の西武・松坂大輔がファンに別れ まさかの謝罪も「申し訳ありません」
同い年の俳優・妻夫木聡さんが花束贈呈でサプライズ登場
今季で現役を引退した西武・松坂大輔投手の現役引退セレモニーが4日、メットライフドームで西武ファンの集い「LIONS THANKS FESTA」の中で行われた。平成の怪物がファンに別れを告げた。
ファンの大きな拍手の中で笑顔を浮かべながら、グラウンドに登場した松坂。まず、横浜高の渡辺元智元監督、ソフトバンクの王貞治球団会長、巨人の原辰徳監督、ソフトバンクの工藤公康前監督、オリックスの中嶋聡監督、「昭和の怪物」江川卓さんらからのメッセージビデオがビジョンに流され、恩師らの声に耳を傾けた。
花束贈呈には同い年の俳優・妻夫木聡さんがまず登場。「マツの背中を追いかけていました。会うたびにその背中は大きくなっていきました。引退となることに感慨深いものがあります」と涙を流しながら声をかけると、松坂の目にも光るものがあった。さらに入団時の監督だった東尾修氏も花束を贈った。
挨拶に立つと「このようなセレモニーを用意していただいた球団関係者のみなさんありがとうございます。ファンのみなさんありがとうございます。僕は今シーズン、今日をもちまして、23年間の現役生活から引退します」と語った。
挨拶の中では「ここまで来る中でたくさんの方にたくさんの不満、迷惑をかけてきたことも事実です。改めて申し訳ありませんでした」とまさかの謝罪も。「投げる場所を与えてくれたライオンズ、ホークス、ドラゴンズ、レッドソックス、インディアンス、メッツ、奮い立たせてくれたファンのみなさん感謝しています」と在籍した全ての球団、ファンにも感謝を伝えた。
1998年ドラフト1位で横浜高から西武に入団して以降、NPBとMLBを股にかけた23年間のプロ生活で日米通算170勝108敗。日本代表としても五輪に2度(2000年シドニー、2004年アテネ)、WBCにも2度(2006、2009年)出場し活躍した。
現役後半は故障に苦しんだ。レッドソックス時代の2011年に右肘のトミー・ジョン手術を受けたのをはじめ、ソフトバンク時代の2015年には右肩を手術。西武復帰後の昨年7月には首痛と右手のしびれを解消するため、脊椎内視鏡手術に踏み切ったが、症状は思うように改善されなかった。
10月19日にメットライフドームで行われた日本ハム戦で現役最終登板。先発して横浜高の後輩に当たる近藤に5球を投げ、四球を与えた。最速は118キロ。ファンには「THANKS FESTA」で直接思いを伝えることを予告していた。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)