「愛」をキーワードに8年ぶりベスト8 優勝請け負う名将が導くENEOSの躍進

ENEOSの大久保秀昭監督【写真:川村虎大】
ENEOSの大久保秀昭監督【写真:川村虎大】

ENEOSは優勝した2013年以来の8強進出

 強いENEOSが戻ってきた。4日に東京ドームで行われた第92回都市対抗野球大会の2回戦。歴代最多の優勝11回を誇るENEOSは、3-1で日本通運に勝利した。優勝した2013年以来のベスト8進出には、選手として2度、監督として3度の優勝を経験している元近鉄・大久保秀昭監督の“金言”があった。

 東芝からの補強選手として出場した吉村貢司郎が、7回を3安打1失点の好投。同点で迎えた7回2死満塁では、主将の川口凌が右前に決勝打を放った。大久保監督は「神奈川のプライドを持って戦ってくれたかな」と選手らを褒め称えた。

 2005年に前身の新日本石油ENEOSの監督に就任し、退任する2015年までに3度の都市対抗優勝を成し遂げた。退任後は母校・慶大の監督を務めていたが、ENEOSは2016年から4年連続で都市対抗の予選敗退。2019年末から再び監督に復帰し、昨年5年ぶりに都市対抗に出場を果たした。

 本大会の初戦が始まる前、練習後のミーティングでチームに伝えたキーワードがある。「ラブベースボール」。細かい指示もしたが、原点は野球を愛する。それがチームの仲間を信じ、結果につながるということを選手に伝えた。決勝打含む2本の適時打を放った主将の川口も「自分の中でのひとつのテーマになった」と振り返る。

 2013年以来の8強に進出したが、目指すのはもちろん日本一。「全国で3勝以上するのが力のあるチーム。短い時間ですけど、自分達のできる準備をします」と、絶対王者の復活のため、再び気を引き締めた。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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