選抜V捕手が航空自衛隊で野球を続ける理由 補強選手として掴んだ都市対抗初出場

2011年、東海大相模の主将として選抜甲子園で優勝【写真:中戸川知世】
2011年、東海大相模の主将として選抜甲子園で優勝【写真:中戸川知世】

今なお熱い“相模魂”「負けていられないという気持ちで」

 東日本大震災直後に行われた選抜での優勝は忘れられない思い出だ。チームの中核を担っての快進撃、さらに俳優・柳葉敏郎の甥であることも話題になった。チームメートには田中俊太(DeNA)や菅野剛士(ロッテ)など、後にプロ野球へ進んだ仲間もいる。佐藤が決してプレー環境に恵まれているとは言えない今も野球を続ける原動力は何なのだろうか。

「自分の代には現役で活躍している選手も多いですし、個人的には続ける励みにしています。そして何より、東海大相模高校が選抜などでいい結果を出している。負けていられないという気持ちでやらせていただいています」

 北海道ガスは創部4年目の若いチーム。今回は補強で加わった佐藤と夏井が最年長だった。初の全国出場を叶えた年下のチームメートからは「1人1人考えて野球をやっていますし、その上での言い合いが凄い」と大きな“教え”を受けた。長い冬が待つ北海道で、自分のチームにも伝えていくつもりでいる。

 航空自衛隊千歳は、新興の北海道ガスと伝統あるJR北海道クラブ、室蘭シャークスを倒さなければ全国大会への出場を果たせない。佐藤はその先にある世界に触れ、強烈な印象を受けた。「北海道で1位を取っても、関東のチームとやるとこういう大差負けになってしまう。もっともっと上を目指してやらないと」と向上心を忘れない。今も熱く燃え盛る“相模魂”で次に目指すのは、もちろん自チームの青いユニホームでドームへ戻ってくることだ。

(羽鳥慶太 / Keita Hatori)

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