予選無安打、プロ指名漏れ… セガサミー大砲が雪辱の満塁弾、後輩の佐藤輝も刺激に

3回に満塁本塁打を放ったセガサミー・中川智裕【写真:川村虎大】
3回に満塁本塁打を放ったセガサミー・中川智裕【写真:川村虎大】

3回2死で満塁弾を放ち、準決勝進出に貢献したセガサミーの中川

 セガサミーの中川智裕内野手が6日、東京ドームで行われた第92回都市対抗野球大会・JR東日本東北との2回戦で試合を決定付ける満塁弾を放った。近大時代は阪神・佐藤輝内野手と三遊間を組んだ男が“意地の一発”でチームを4強入りに導いた。

「チェンジアップを狙っていました」。2-1と逆転した直後の3回2死満塁、「7番・遊撃」で出場した中川は、カウント2-2からの5球目を叩いた。打球はバックスクリーン左に飛び込む満塁アーチ。勢いに乗ったチームは7-2で勝利し、準決勝一番乗りを決めた。

 近大では1学年下に今季新人で24本塁打を放った阪神・佐藤輝がいた。「大学時代から一緒に三遊間守っていて、(佐藤輝の活躍は)自分にとってもプラスで、鼓舞されました」。後輩の活躍がプロへの憧れを高めていった。

 広島で活躍したセガサミー・西田真二監督も、打撃だけでなく「守備もスローイングも素晴らしい」と評価する右の大型遊撃手。だが、10月のドラフト会議前に行われていた都市対抗の予選は23打数無安打11三振と大苦戦。スカウト陣にアピールすることができず指名されることはなかった。

 西田監督は「ドラフト前にあと2、3発打っておけばなぁ」と苦笑いを浮かべたが、それも期待の裏返し。「ミリオンホームラン。ミスショットをよく捉えた。効きましたよね」と活躍を喜んだ。

 念願のプロ入りは叶わなかったが、「まだまだ全然アピールできる」と諦めてはいない。2年連続でセガサミーを都市対抗4強に導いた男は次のステージへ向け、貪欲に結果を求めていく。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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