大谷翔平は「異常でした」 稀代の大砲との共通点…元MLB右腕が語る衝撃の143m弾

8号2ランを放ったエンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】
8号2ランを放ったエンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

斎藤隆氏がMVP・大谷翔平の2021年をプレーバック「本物のスーパースター」

 エンゼルスの大谷翔平選手はメジャー4年目の今季、9勝&46本塁打と投打でフル回転し、日本人初の満票MVPに輝いた。Full-Count編集部では、メジャーの歴史を塗り替えた今季の大谷をテレビ解説者として見守ってきたプロ野球OBにインタビュー。今回は来季からDeNAチーフ投手コーチを務める斎藤隆氏に打者・大谷の名場面について振り返ってもらい、映像とともにご紹介する。

 大谷の豪快アーチで最もインパクトに残っている本塁打は? 斎藤氏が挙げたのは6月8日(日本時間9日)の本拠地・ロイヤルズ戦で放った超特大弾だった。初回無死一塁、左腕・バビクから中越え8号2ラン。飛距離470フィート(約143.3メートル)のメジャー自己最長弾だった。

「日本人がパワーでメジャーリーガーを驚かせた。メジャーの醍醐味の1つに本塁打というものがあって、その中であの飛距離。子どもたちがワァーとはしゃいでいる。本物のスーパースターだなと思いますね」

 斎藤氏は2006年からドジャース、レッドソックスなどメジャー5球団を渡り歩き、7年間で通算338試合に登板した。その間、名だたる名打者と名勝負を繰り広げたが、今季の大谷の打ち方は稀代のスラッガーたちと重なる場面があったという。「体の使い方がいい意味で異常でした。背筋を使って打ち上げていた。あの打ち方ができるのはメジャーでも数人だよなと。ボンズやケン・グリフィーJr.、プリンス(フィルダー)もそうでした。あの体の使い方は、まさにそれでした。そこも越えてきているような気がしますね」と目を細めた。

 来季から古巣・DeNAでチーフ投手コーチに就任することが決まった。もし、DeNA投手陣が打者・大谷と対戦するとしたら、どんな指示をするのか。「安全なゾーンがなくて(苦笑)。昨年なら『困ったら、このゾーンで。最悪本塁打にならなければいい』という攻め方ができたと思うんですね。今年はそれができない……」と頭を抱える。「状況が許せば、勝負を避けるでしょうね。コーチの仕事は『ゾーンの中で、いかに勝負するか』をみんなと話しながら『こうアウトを取ろう』という話なんですけど」。打者・大谷が投手コーチ泣かせであることは間違いなさそうだ。

 来季はトラウト、レンドンらの戦列復帰が期待される。簡単に歩かされるケースは減るだろうが、打者・大谷はラインナップにいるだけで恐怖を与える存在であることに間違いない。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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