鍵は「育成システム」と「キャリア支援」 鷹育成ドラ1の心境を変えた球団の説明

父の武彦さんも安心材料に「ソフトバンクに入社するようなもの」

 千賀滉大投手や甲斐拓也捕手といった育成選手から侍ジャパンに選ばれるレベルにまで駆け上がり、活躍している選手が多い。充実した設備、環境、育成プログラムを改めて目の当たりにし、自身も「その育成システムを上手く活用し、1日でも早く支配下登録されるよう頑張りたい」と感じた。

 また、球団が引退した選手に用意している“セカンドキャリア支援”も決断に背中を押してくれた。現役を退くことになったときに、やりたいことが見つからなかったならば、そのまま球団やソフトバンクグループで働くことが出来るというサポート体制は、将来への不安を取り払ってくれた。思いっきり野球に打ち込むためにも大きな安心材料だった。

 息子の決断を見守ってきた父の武彦さんも「ソフトバンクに入社するようなもの。まずは大好きな野球を思い切りやれる」とセカンドキャリア支援の話を聞き、親として抱く不安も払拭されたという。そのほかにもファーム施設「HAWKSベースボールパーク筑後」の設備の充実ぶりや、全員に支給されるiPhoneとiPadで自身の身体の管理や、日々の練習、試合動画の確認ができるシステムなど、ソフトバンクならではのITを駆使したバックアップにも魅力を感じた。

「なんだかんだ本人はiPhoneとiPadの支給が一番嬉しそうでしたね(笑)」。悩んで暗くなっていた時期もあった息子の表情が明るくなったことにも父は一安心している様子だった。「入団する、しないでお騒がせしてしまいましたが……」と申し訳なさそうに話していた藤野だが、一度きりの大事な人生、18歳ながら冷静に物事を考えることが出来るのはむしろ彼の魅力だ。プロの舞台で挑戦すると決めた今、持ち前の冷静で明晰な頭脳と広い視野で努力していくに違いない。

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)

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