鷹はMLB通算109発ガルビスをどう使う? 内野には若手豊富、GMが語った狙いは…
ガルビスの本職は遊撃も、二塁、三塁と内野をマルチにこなす
ソフトバンクは13日、来季の新戦力としてメジャー通算109発を誇る前フィリーズのフレディ・ガルビス内野手が入団すると発表した。2年契約で背番号は「3」に決定。内野には期待の若手が複数いるものの、そのポジションに助っ人を補強する意図はどこにあるのか。三笠杉彦GMが語った。
ガルビスはフィリーズ、パドレス、ブルージェイズなどでメジャー通算1102試合に出場している内野手。本職は遊撃手でメジャー通算883試合でプレー。さらに二塁、三塁、外野を守った経験もある。今季も遊撃手で82試合に出場している。三笠GMはまず「外野に比べると相対的に内野の打撃、守備含めてのパフォーマンスが課題かな、というのがあった」と獲得の意図を語った。
ソフトバンクの遊撃手といえば、名手・今宮健太がいる。ただ、近年は相次ぐ故障に苦しみ、今季は125試合で打率.214と不振に苦しんだ。他にも川瀬晃、二塁手には三森大貴や周東佑京、牧原大成、三塁手にもベテランの松田宣浩をはじめ、リチャードや野村大樹、増田珠といった若い力がレギュラー獲りを狙っている。
三笠GMは「ショートを中心にしてセカンド、サードもできるが、フロントとして『ここ』とは考えていない。藤本監督がキャンプで見ながら、どこのポジションがいいかというのは、競争の度合いを見て決めていくことになる」と語る。本職の遊撃手だけでなく、チーム状況に応じて二塁、三塁とフレキシブルに内野の各ポジションをこなす可能性を示した。
若手のチャンスを奪うことになりかねないが、チームは今季8年ぶりのBクラスとなる4位。三笠GMは「補強をすると、その裏返しとして若い選手のポジションを奪う側面はあるが、来年に向けて優勝を狙える陣容を整える、ということとのバランスを考えた結果、彼に助けてもらう方が来年はいいのではないかと思って獲得に至った」と語り、藤本博史新監督のもとでリーグ優勝の奪還を目指す上で内野の層を厚くする必要があると判断した。
勝ちながら、育てることが理想だが、今年の戦いを見てもそれは簡単ではない。常勝軍団でいることを義務付けられているソフトバンクだけに、来季は「勝つこと」が求められている、ということだろう。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)