「松井秀喜も凄かったけど…」大谷翔平の日本人最多弾で専門家を驚かせたこととは?
野口寿浩氏は大谷の日本人メジャー最多弾をテレビ解説中に見た「完璧な当たりだった」
エンゼルス・大谷翔平投手の活躍で印象に残った場面を、テレビ解説者として見守ってきたプロ野球OBに聞くインタビュー。捕手として通算21年間プレーした野口寿浩氏に衝撃を受けた本塁打について映像を交えて振り返ってもらい、その凄さに迫った。
野口氏がピックアップしたのは、7月7日(日本時間8日)の本拠地・レッドソックス戦。大谷は5回に右越え32号ソロを放ち、松井秀喜氏を超える日本人メジャー最多本塁打新記録を打ち立てた。「完璧な当たりだったよね。速い球で攻められている中で最後はチェンジアップだったかな。それを完璧に捉えていた」。
1971年生まれの野口氏は松井氏(1974年)と同年代。「記録はいつかは超えられるものだと思っている。ただ、あの時(31発した2004年)の松井も凄かったけど、大谷ははるかに超えていったよね」。ゴジラの凄さを肌で感じているが、本塁打王争いを繰り広げた大谷の衝撃は大きく上回っていたようだ。
大谷の日本人メジャー最多弾はテレビ解説席で見守った。現地13時開始のデーゲームは日本時間5時に試合開始。野口氏はテレビ局への移動などを含めると、深夜2時過ぎに“起床”するタフな日程だ。「仕事はしているけど、(大谷の活躍に)オッとビックリするところがある。デーゲームで打ってくれると目が覚めるよ」。日本からの多くの視聴者と同じように、大谷のアーチは心躍るものだったようだ。
今季は前半戦84試合で33本塁打。驚異的なペースで放ってきたが、後半戦71試合で13発だった。野口氏は大谷の“課題”を指摘した。「大谷と言えば左中間のホームラン。90度を有効に使った打ち方をすればいい。右越えへ打てるようになったわけだから、90度に入れられればいい。引っ張り一本にならなければいいな。それ以外は何か見当たりません」。今季、左翼と左中間方向へは計5発のみ。広角にアーチをかけられれば、驚異的なペースでかっ飛ばす大谷を期待できそうだ。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)