「収入を増やさないと破産してしまう」 東都大学リーグが危機感をバネに大改革

東都大学野球連盟の西村忠之事務局長【写真:宮脇広久】
東都大学野球連盟の西村忠之事務局長【写真:宮脇広久】

地方開催、リーグに愛称、プレミアムパートナー、ファンクラブ創設

 改革は地方開催だけではない。新たにリーグの愛称を「PREMIUM UNIVERSITIES 22」(略称プレユニ22)と設定。「一般的に東都は、1部と2部くらいは存在を知られていても、4部まであって、一橋大や学習院大といった有名大学も加盟していることはあまり知られていない。これからは22大学の総力を挙げてやっていくという思いを込めました」と西村事務局長は言う。さらにリーグのプレミアムパートナーとして、人材派遣大手の株式会社エイジェックを3年契約で迎えた。

 10月下旬に終了した今年の秋季リーグ戦では「東都ファンクラブ」をテスト的に設立。会費1万円で1部から4部まで全試合を観戦できるもので、約350人の会員が集まった。「開幕直前に生まれたアイデアで、宣伝する時間はほとんどなかったが、予想以上の反響があった。存在を知らなかったという人もたくさんいました」と西村事務局長。来年は春季・秋季共通の年会費2万円とする方向で、年明けから募集を始める見通しだ。

 今後は「10年後までにはこれをやる、15年後までにはあれというように、中・長期計画を立てていきたい。長期的には、土・日に開催できる東都専用の球場をつくりたいです」と青写真を描いている。

「もはや各大学におんぶに抱っこで済む時代ではない。自分たちの活動費は自分たちで稼ぐ気概を持ちたい。われわれは本気です!」と語気を強めた西村事務局長。危機感をバネに東都のチャレンジが成功すれば、全国のリーグに波及し、大学野球全体の振興につながる可能性もありそうだ。今季のプロ野球で新人ながら3割20発を記録した牧秀悟内野手(DeNA)も、中大出身の東都OB。本気の改革は知名度アップ、収入アップにつながるか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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