大谷翔平の「今年の進化の1つ」 元捕手が“課題克服”を認めた左腕からの141m弾
今季は左腕から18発、昨年の44打席に1本→11打席に1本
エンゼルス・大谷翔平投手は今季リーグ3位の46本塁打を放ち、シーズン最終盤まで熾烈な本塁打王争いを演じた。テレビ解説者として見守ってきたプロ野球OBにインタビューする企画の最終回は、野口寿浩氏から見た打撃の進化について語ってもらった。
VS左投手も苦にしない。それどころではなかった。7月27日(日本時間28日)の本拠地・ロッキーズ戦。5回2死三塁、左腕ゴンバーのスライダーを強振し、バックスクリーン右へ36号2ランを運んだ。463フィート(約141.1メートル)の特大弾だった。野口氏は左腕、しかも、その決め球を打ったことを高く評価した。
「これ凄いなと思ったね。ゴンバーは左打者が打ちにくい感じる左投手。そのスライダーを完璧に捉えて140メートル以上を飛ばす。凄いな。左投手の決め球になる球。多少甘く入ったとはいえ、しっかり捉えたのは今年の進化の1つだと思う」
数字でもハッキリしている。今季は右投手から28本塁打(339打数)を放ち、左投手から18本塁打(198打数)。本塁打率は右投手12.11、左投手11.00。昨季は打率.182、1本塁打(44打数)、本塁打率44.00と低迷した対左腕で結果を出してきた。「今年は左投手から何発打ったか……」。年間を通して解説してきた野口氏の言葉に力がこもる。
今季は1918年ベーブ・ルース(当時レッドソックス)以来の2桁勝利&2桁本塁打にあと1勝足りなかった。それでも、野口氏は「2桁勝利はスッといくと思う。来年は50発を期待したいね」と話した。来季開幕が待ち遠しいところだ。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)