まずすべきは得意な練習？　短所の克服？　イチロー流は「しっかり長所を伸ばす」

女子高校選抜と対戦した後の質問会で疑問に答える

　マリナーズで会長付き特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏が「育成論」を語った。18日にほっともっとフィールド神戸で行われた、自身が結成した草野球チーム「KOBE CHIBEN」と女子高校選抜とのエキシビションマッチ後に行われた質問会で、まず得意なところを伸ばすべきと語り掛けた。

　守備が好きだという女子高生からの「反対に打撃の練習には気分が乗らない。得意を伸ばすのか、苦手を克服するのか。どういうマインドでいればいいでしょうか」という質問に、イチロー氏は即答だった。

「得意のところは絶対伸ばしたほうがいい。それができた上で、苦手なところを克服する順番だと思う」

　どんな選手にも「好き・嫌い」や「得手・不得手」はある。長所を伸ばすのか、短所をつぶすのか。より成長するためにはどちらが先なのかという疑問は、指導者も選手も1度は考えるのではないだろうか。

　なぜそう考えるのかという理由についても、イチロー氏の答えは「得意な所を、苦手な所を意識するあまり、得意じゃなくなってしまうのが最悪。まずそれを固める、自分の形をつくる。レベルが高くなれば高くなるほど、当然そうなるけど、しっかり長所を伸ばしていく。それを絶対殺さないで欲しい」と明確だった。

　野球には走攻守さまざまな局面がある。そのうち自身が得意だと思う部分にまずしっかり取り組み、自分のものにしようという考えが“イチ流”だ。皆の長所をどんどん伸ばせば、きっとチームも強くなっていく。

（Full-Count編集部）