DeNA三浦監督が大田、藤田に求めるモノ「競争はこのオフから始まっている」
大田へ「横浜スタジアムは庭みたいなもの。暴れてもらいたい」
特に外野陣は今季、中堅の桑原が打率.310、左翼の佐野が.303、右翼のオースティンも左ふくらはぎの肉離れなどで規定打席にわずか4打席足りなかったものの.303をマーク。来季も、他の選手がレギュラーの座を奪うのは容易ではない。しかし、最下位から這い上がるには、課題の投手陣の底上げとともに、チーム全体に緊張感と活気が必要だ。だからこそ、三浦監督は「確かに結果を残した選手、実績のある選手もいるが、(来季のレギュラーを)確約したわけではない。厳しい言い方をすれば、『俺は(レギュラーが)決まっているから(安泰だ)』というような選手はいらない」と語るのだろう。
そういう意味で、外野陣へ格好の刺激剤となりうるのが大田である。今季は打率.204、3本塁打20打点の打撃不振で、日本ハムから“ノンテンダーFA”となっていたが、2年前の2019年にはキャリアハイの.289、20本塁打77打点をマーク。昨年は初のゴールデングラブ賞を獲得している。三浦監督は「東海大相模高出身で横浜スタジアムは庭みたいなものだから、暴れてもらいたい」と期待を寄せ、「かなり存在感があり、他の選手へ与える影響も大きい」とうなずいた。
楽天を戦力外となり、10年ぶりの古巣復帰となる藤田の獲得も同様だ。楽天で二塁手としてゴールデングラブ賞に3度、ベストナインに2度輝いた守備の名手だが、今季は1軍出場なしに終わり、来年は40歳。二塁には押しも押されもせぬチームの中軸となった牧が座り、他にも内野手は数多い。それでも、2013年に楽天の優勝と日本一に貢献した藤田の経験と、チームリーダーとして牽引できる資質を買った。三浦監督は「周りの選手に与える影響が大きい。そういうところに期待しています」と評した上で、「若い選手とどんどん勝負してもらいたい」と背中を押した。
この日、三浦監督とともにトークショーに参加した牧、京山はいずれも、ベイスターズがリーグ優勝と日本一を果たした1998年の生まれ。それ以降23年に渡って覇権から遠ざかってきた。かつて12勝を挙げて貢献した三浦監督にとって、まずは優勝するチームにふさわしい雰囲気を作ることが使命になる。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)