開幕ローテ入りも初先発で右肘がプチッ… DeNA右腕の後悔とリハビリで得た未来像

気持ちが楽になった大家コーチからの言葉「ま、そんなもんだよ」

 キャッチボールが解禁となり、今では40メートルの距離を投げている。4か月ぶりにボールを持って腕を振った時は「肘が怖かったです」というが、翌日張りを感じたのは肩だった。肘の状態は上向きの時もあれば、後戻りしたように感じる時もある。だが、こういった反応も「ある程度は予測できていました」と落ち着いたもの。ここでも田中健や東のアドバイスが生きている。

 斎藤隆チーフ投手コーチには「3歩進んで2歩下がる、の繰り返しだから地道にいこう」と声を掛けられた。ファームを担当する大家友和投手コーチからの言葉にも救われた思いがする。

「『ま、そんなもんだよ』って言われて、少し気持ちが楽になりました。『みんなそんなもんだから焦らなくていい。みんなこの道を通ってきてるから』って。大丈夫なのか少し不安だった中で、その言葉が印象に残っています」

 来年は育成選手として、1軍復帰を目指しながらリハビリに励む。背番号は「59」に「0」が加わり「059」となった。支配下契約、そして1軍復帰を見据えた球団の配慮に「感謝しています」と話す。

「復帰までは手術後、早くても1年はかかる。チームとして戦う上で僕が登録枠を1つ無駄に使うわけにはいかないと思っていたので、育成契約になることは全然嫌ではなかったです。まず、手術させてもらったことに感謝の気持ちでいっぱいですし、治してからが勝負。しっかり治して、チームに貢献して勝てる投球ができるようになることを目指していきます」

 終始スッキリした表情で話す平良の視界に映るのは、再び1軍のマウンドで投げる未来の自分の姿だ。

「性格的なものもありますけど(笑)、ここまで来たら後ろは向いていられない。勝手に前を向けるような恵まれた環境にいられることにも感謝ですね」

 支えてくれる全ての人へ感謝の気持ちを忘れずに、手術前よりも強い体、強い球、強い心を携えて、必ず横浜スタジアムのマウンドに戻ってみせる。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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