72歳の村田兆治氏が「離島甲子園」を続けるワケ 地道に力を注ぐ裾野の拡大
第7回大会に出場した巨人育成ドラ6菊地がプレゼンターで登場
また村田氏といえば、59歳で出場したマスターズリーグで141キロを計測するなど衰え知らずの肉体でも知られた。離島でもたびたび打撃投手を務め「生意気なやつには絶対、バットに当てさせなかった」と笑う。
20日に都内のホテルで開かれた表彰式には、2014年に新潟・佐渡島で行われた第7回大会に出場し、地元の佐渡高、桐蔭横浜大を経て、今年巨人から育成ドラフト6位指名を受け入団した菊地大稀投手がプレゼンターとして登場した。
菊地が「これからも離島球児に夢や希望を与えてください。おめでとうございました」と祝辞を述べると、村田氏は「巨人に入って勝つと言え」と要求。菊地が「巨人に入って活躍します」と言い直すシーンもあった。村田氏は中3当時の菊地に「センスがいい。プロを目指して頑張れ」とアドバイスを送っていたという。大会出場者から初のプロ誕生で、村田氏の活動の成果が形となって表れたと言える。
「これからも社会貢献をして、人の役に立って恩返しをしていきたい」と村田氏。1990年限りで現役を引退し、95年から97年までダイエー(現ソフトバンク)の投手コーチを務めた後は、プロ野球の現場から遠ざかっている。派手ではないが、野球の裾野拡大のため地道に活動してきた姿が奥ゆかしい。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)