なぜ西武・平良海馬は今季変化球を多投したのか? モデルチェンジの真相を告白

「今年いい手応えがあったので、来年もほとんど変えず」

 来季に関しては「今年いい手応えがあったので、来年もほとんど変えず、打者の反応や自分の感覚も取り入れながらピッチングしていきたい」と語る。本人にとっては今季60イニングで28四球を与えたことが不満で「(試合展開で)わざと勝負しない場面もありましたが、来年はそこであえて勝負していけたらいいと思います」と表情を引き締めた。

 年俸大幅アップ分の使い道については「高級な物を買うタイプではない。コンビニに行ったら、値段を見ないで買う“プチぜいたく”をしたい」と笑わせた好漢。いかにも沖縄県出身らしい、おっとりした語り口が微笑ましい。一方で、高卒1年目のオフから菊池雄星投手(マリナーズからFA)に弟子入りし、球の回転などをデータ化するトラッキング機器を自費で購入するなど、野球に関しては理論派で意識が高い。このギャップがまた魅力だ。

 10月23日に右足首の手術(右足後方インピンジメント症候群に対する関節鏡視下骨片除去手術)を受け、いったん退院して秋季練習に参加したものの、患部に細菌が入ったため、11月から再入院している。この日、異例のリモートでの契約更改交渉を行った渡辺久信GMは「普通なら既に退院レベルだと思うが、病院側が完璧な状態で退院できるようにと慎重にやってくれている。キャンプには全然間に合う」と軽症を強調した。

「(セットアッパーか、抑えか)ポジションが決まっていないので、目標を設定するのは難しいけれど、いずれにせよ、来年も防御率0点台を目指して頑張りたい」と平良。“球の速い変化球投手”のスタイルをさらに成熟させていく。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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