前田健太ら多くのプロが信頼 福島の野球少年だったトレーナーが忘れない原風景

途中で監督が代わると…打球が上がったその理由

 木村氏はアメリカの科学的なトレーニングや競技力向上に繋がるPNFなどコンディショニングを学び、衝撃を受け続けた。のちに手塚氏に“弟子入り”し、学びを得ることになる。

「体の動かし方を学んでいるうちに、それ自体が面白くなってきました。いろいろと『こうやったら打球が上がるのではないだろうか』と試行錯誤して、いろいろと練習の仕方をだんだん覚えていきました。それが僕の転機ですね」

 その後の中学時代はというと、学校の監督が代わり、縛られることがなくなった。監督はスポーツと生徒が大好きだった木村氏の担任の先生で、細かいことは言わず、子どもたちと朝練から一緒に体を動かす時間を幸せと感じる人だった。

「やりたいように取り組んだら、打球が上がるようになったんですよ。脇をちょっと開けて、ボールを上げていくために、“こうしたらいい”みたいな形ができました。実際に、打球は上がるようになっていたんですよね。そのこと自体が楽しかったですね」

 子どもたちだって悩みがたくさんある。「なりたい」という憧れを抱くことも大切だ。その願いを叶える力添えをするのが、指導者の役割でもある。

「人は脳を介さずに、運動するパターンがあります。そもそも、自分を上手に動かすという働きみたいなものがあります。それを壊してまで、コーチングすることは単なるいじりです。それを指導者側が気をつけないといけないと思います」

 必ず、自分の中で考えているものがある。練習していく中で、その人はその人のやり方もある。自分に吸収できることは何か……。そのような感覚、つまり向上心を常に持つことが大事で、持たせることが新しい道への光を照らす。今ではツインズ・前田健太投手やロッテ・荻野貴司外野手ら多くのプロ野球選手から一目置かれる木村氏だが、故郷で育った貴重な時間を忘れることはない。

○木村匡宏(きむら・まさひろ)
1979年1月11日生まれ、福島県出身。福島高校、慶大と硬式野球部所属。一般企業やアスリートの競技力向上支援する施設での勤務経験を経て、現在、MTX ACADEMYチーフディレクター。最も力を発揮しやすい姿勢と言われる「パワーコネクトポジション」の重要性を説き、プロ選手から育成年代まで数多くの野球選手のサポートを行っている。

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(Full-Count編集部)

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