“又吉以上”になる可能性も? 人的補償で中日移籍の岩嵜翔が秘める球界屈指の潜在能力

空振り奪取能力はセ・パ両リーグ通じても屈指の数値を誇る

 また、空振り奪取能力も非常に高く、全投球に占める空振りストライクの割合は17.0%。これは30イニング以上投げた投手の中では5位。また、打者がスイングしバットにコンタクトされた割合を示す「Contact%」も68.2%でセ・パ両リーグで6番目に低い数字になる。ボール球を打者にスイングさせる「O-Swing%」は12球団でトップの40.7%と、投手としての特徴を表すものになっている。

 対戦打者に占める奪三振の割合を示す「K%」も両リーグで6位となる31.3%と高い。四死球割合との差を表す「K-BB%」も5位と、投手としての能力は非常に高いものがあることが分かる。

 その一方で、今季は安定感に欠けたのも事実だ。手のつけられないような完璧なリリーフを見せるときもあれば、突如として大崩れすることも。8月には2試合連続で炎上して救援に失敗するなど調子を落とし、再昇格後も本来の姿を取り戻せないまま、10月に再びファームに降格となっていた。

 備えている能力はソフトバンクでも屈指のものがありながらも、今季はその力を安定して発揮できなかった。32歳という年齢、又吉というセットアッパー候補の加入、若いリリーフ投手の台頭など、様々な要素が絡んでのプロテクト漏れだったろう。能力をフルに発揮できれば、中日にとっては、又吉以上の戦力になる可能性も秘めている投手だろう。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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