9度の手術も「ケガをする道を選んだ」 元ドラ1右腕が“つらい顔”見せなかった訳

栄光の“ドラ1”も入団即衝撃「周りはレベルも高くて」

 プロ野球の世界は当然、毎年故障者が出る。手術を行う選手もいる。内氏は「自分は辛い顔をせずにやっていたつもり。そういうのが少しでも後輩たちに伝わっていて、ロッテで手術へのマイナスなイメージが薄くなっていたら嬉しい」と願った。

 栄光のドラフト1位として18歳でプロの世界に飛び込んだが「無名の高校から入って、周りは甲子園に出ていたりレベルも高くて」とすぐに衝撃を受けた。プロに入れば順位は関係ない、結果がすべての世界。“ドラ1”でも這い上がる気持ちを持って必死で腕を振った1年目、イースタン・リーグで抑えを任され10セーブを挙げた。

 日本一に輝いた2010年には日本シリーズ4試合に登板して優秀選手賞を獲得。大舞台での経験を機に存在感を示すようになった。2017、2018年は2年連続50試合登板を達成。2018年は自己最多の26セーブをマークした。

 2020年オフに戦力外通告を受け、12球団合同トライアウトを受験したがNPB球団からは声は掛からなかった。独立リーグも頭をよぎったが、最後は鼠径部痛を発症していたこともありユニホームを脱ぐことを決めた。

 栄光の日本一も、長く地道なリハビリ生活も味わった17年間。「正直、頑張ったなと思います。スライダーしかなかったけど、その武器を持ってプロ野球生活を17年間できた」。ケガが多かったことに後悔はない。納得がいくまで自分のボールを投げ続けた野球人生は、誇りだった。

(町田利衣 / Rie Machida)

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