「ずっとお断りしていた」斎藤隆コーチが17年ぶりにDeNAに“復帰”した理由
「コーチとは学校の先生ではなく、塾の先生のようなもの」
実際、引退後はテレビのスポーツ番組のキャスターやパドレスのアドバイザーなどを務めていた。ところが一昨年、大学時代から親交のある高津監督の強い要望で、ヤクルトの1軍投手コーチに就任。だが、チームが最下位となった責任を取り、ヤクルト球団の慰留を振り切って1年間で退団した。斎藤コーチは「改めてDeNAの熱意を感じたこともありますが、(ヤクルトのコーチを務めたことで)断る理由がなくなってしまったのが正直なところ」と笑い、「やる以上は精一杯やっていきますし、結果的に皆さんが期待する形で効果が現れたら最高」と意欲を新たにしている。
メジャーリーグで7年間プレーした上、フロント業務にも携わった経験から、外国人選手とのコミュニケーションはお手の物。「それに関しては英語力云々よりも、自分がメジャーでチームのみんなに支えてもらった経験を元に、異国から来ている外国人選手をサポートしていきたい」とうなずいた。
「コーチとは学校の先生ではなく、塾の先生みたいなものだと思っている」と語る。「全員に当てはまる課題や目標を掲げるのは難しい。差別はしないが、ある程度の区別はしてて、個々に課題を考えていきたい」と説明。きめ細かく各選手と1対1で向き合っていく構えだ。昨年の秋季練習を動画で撮影済みで、今後は各選手のデータの収集、分析を進めていく意向。「短期だけでなく、中長期的なプランを立て、半年とか2か月置きに見直していかないといけない。1、2軍スタッフ全員の意見を統一させることが大事」と方針を掲げた。
昨年12球団ワーストのチーム防御率4.15に終わった投手陣の建て直しを担う斎藤コーチ。三浦大輔監督の就任1年目に最下位に沈んだDeNAだが、ベンチの雰囲気が大きく変わりつつあるのは間違いない。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)