独立リーグでたった3試合投げただけ… ドジャースはなぜ無名の日本人右腕と契約を?

MLBスカウトに動画やレポートで売り込み、複数球団からオファーが

「メジャーのスカウトは日本の独立リーグに即戦力は求めていないんです。本人もメジャーへの思いがあったので、マッチするなと」

 色川GMは大学時代から単身渡米し、自らエージェント会社「アジアンブリーズ」を創設。世界の野球市場へ選手を送り込んできた。その人脈を通じて、MLB球団のスカウトに巨人3軍戦の動画やレポートを送って売り込んだ。すると193センチの長身から投げ下ろす155キロの直球と、鋭く落ちるスプリットが高く評価され、ドジャース以外にも複数球団からオファーがあったという。

 ドジャースを選んだのにも理由がある。過去に野茂英雄投手や、前田健太投手(現ツインズ)がプレーしており「日本人が多く在籍していて理解がある。専門医がいて、(トミー・ジョン手術後の)リハビリのノウハウも進んでいるんです」。松田は3月に渡米予定で、当初はチームに帯同せず、球団施設でリハビリに専念する予定だという。

「現状、独立リーグは月収10万円から最大で40万円。その年収で結婚して家族を養えるかと言ったらそうではないんです。だから選手には『1シーズンで出て行ってください』と常に言っています。その代わり『出口は必死で探します』って」

 無名の日本人がドジャースへ。異色の契約の背景には、選手と球団のニーズを擦り合わせた色川GMの尽力があった。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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