「1年で出て行ってくれ」無名右腕がドジャースと契約、BC茨城GMが考える独立Lの在り方

色川GM自ら選手を売り込みやスカウトを行う

 色川GMは茨城から“世界で活躍する人材”を送り出すことを目指している。なぜかと言えば「米国にもたくさんの選択肢があることを、選手は知らない」からだ。自身も、大学在学中の渡米を皮切りに5か国でプレー。2019年には、日本と米国を結ぶ「アジアンブリーズ」を創設した。自身の経験や人脈を武器に、世界各国からNPBを目指す選手と交渉し迎え入れる。日本からは逆に、MLBへ昇格できるような素質のある選手を直接スカウトに売りこんだ。

 その努力が実を結び、大リーグでのプレーも経験したバルガスやアルバレスがBC茨城に入団。彼らが日本人選手に与えた好影響を、色川GMは指摘する。

「彼らは、母国では月収100万円から150万円を稼ぐような選手なんです。その選手らが、独立リーグでプレーするというリスクを背負って、NPB入りを果たした。夢をつかむにはリスクが必要なんです」

 自らも大学時代に単身渡米し、様々な国を渡り歩いた。当時は、飛行機代にも事欠くなど、苦難の連続だった。それでも、自ら道を切り開いた経験が、現在では仕事のベースとなっている。

「選手らはもっと自己投資をしてほしいです。そして僕たちはその『出口』を全力でサポートするんです」。その姿勢がある限り、松田のような、独立リーグから米球界という切符をつかむ選手が今後も出てくるに違いない。BC茨城はこれからも、日米球界の“勢力図”を動かしてくれそうだ。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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