山本由伸の進化とは? 投手5冠と支配した2021年、成長続ける5年間にデータで迫る
2020年は奪三振率が大きく向上、カーブの割合アップ
2020年は先述の通り、奪三振率が大きく向上したシーズンだった。前年に比べてカーブの割合が大きく増え、ツーシームを廃して一本化したシュートも10%を超える割合に。いずれの球種にも一級品の威力があるだけに、それらをバランスよく投げ分けることにより、打者にとってはこれまで以上に的を絞りづらくなっていたと言えそうだ。
しかし、2021年はストレート、フォーク、カーブの割合がそれぞれ増加し、代わりにシュートの割合が大きく減少。150キロを上回るストレート、140キロ台のフォークとカットボール、120キロ台のカーブという、3つの球速帯で勝負する傾向が強まっている。わずかに低下した奪三振率も十分に優秀な水準を維持したうえで、防御率を大きく向上させたところにも、これらの変化が効果を発揮したことが表れている。