事業停止の窮地からなぜ再生? ロゴも見直し…野球メーカー「ワッペ」の改革

グラブアドバイザーの桑田真澄氏(左)とグラブマイスター・西島唯博氏【写真提供:ワールドペガサスジャパン株式会社】
グラブアドバイザーの桑田真澄氏(左)とグラブマイスター・西島唯博氏【写真提供:ワールドペガサスジャパン株式会社】

往年のファンと若者…ブランドロゴも新旧2種類を展開

 再スタートを切るにあたって、ブランドを象徴するロゴの見直しにも踏み切った。丸みのある従来のデザインと、2007年に桑田氏がメジャーリーグに挑戦した際に新しく作った筆記体のデザインの2種類。どちらがいいか高校生にアンケートを取った結果、9割が後者を選んだ。

 西島さんは「当初は従来のロゴのままにしようと思っていましたが、若い人からは筆記体がかっこいいという答えでした」と振り返る。今は草野球を楽しんでいる長年のファンのために、軟式用やソフトボール用グラブは従来のまま。次世代を担う学生用のグラブは新しいロゴを使用している。

 企業努力に加え、心強いパートナーもいる。2017年12月には、当時ユニホームを着ていなかった桑田氏と再契約。かつての巨人のエースはプロ入りの際、ワールドペガサスの担当者から「小さいブランドを一緒に大きくしていきませんか」と投げ掛けられ、その思いに賛同した過去がある。メジャーでも、巨人でコーチとなった今でも、変わらず愛用している。ブランドを象徴する存在であり、勢いがあった頃を知っている人物。生まれ変わった姿を広く知ってもらうための“適任者”でもある。

 これまで以上に品質の高いグラブへのこだわりを見せるワールドペガサス。伝統と変化を融合させ、輝きを取り戻す。

【画像】野球ファンはどちらが好み? 桑田真澄氏も愛したワールドペガサスの新旧ロゴ

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