鷹・藤本監督も「構え似てきた」 甲斐拓也の“城島そっくり”フォームの真意とは?
城島アドバイザーに似た構えの狙いは「手を体からなるべく離さないように」
宮崎市の生目の杜運動公園で行われているソフトバンクの春季キャンプ。第2クール初日となった5日に目を引いたのが、打撃改造中の甲斐拓也捕手の打撃フォームだった。構えは、付きっきりで指導する城島健司会長付き特別アドバイザーの現役時代にそっくり。そこからボールを打ち返していた。
第1クールから城島アドバイザーの指導のもとで「根本から」打撃を見直している甲斐。この日は志願して早出特打に参加し、城島アドバイザーとティー打撃などでバットを振り込み「2日目より3日目、3日目より今日の方が感じはいいのかなと思います」。藤本博史監督も「どんどん城島2世みたいになってきた。構えも似てきたし」と口にしたほどだ。
ただ、闇雲に城島アドバイザーの現役時代のフォームを真似ているわけではない。甲斐自身は「自然とそうなっている。城島さんにたくさんのことを教えてもらっている」といい、アドバイスを参考に打撃フォームを試行錯誤し、無駄を削ぎ落としていくうちに“そっくり”な構えになっているのだという。
城島アドバイザーから受けている助言の1つは「手を体からなるべく離さないようにすること」。打撃は手、腕で打つものではなく「下半身、右足で打つ」もの。甲斐は「どうしても手を使いがちなところがあるので、右足で打つためにはどうしようかというのを見てもらいながらやっています」と語り、手が体から離れないように試行錯誤した先に、今の構えになった。
この日は王貞治球団会長からも打撃練習中に教えを受けた。「力は入らない方がいい、と。会長もバット振る時に、バットが落ちるくらい、だったと。力が入るとバットが出ない、と。力じゃないんだよ、という話をしていただきました」。城島アドバイザー、そして王会長という偉大な強打者の“エキス”を貪欲に吸収している。
「あっちの方がシンプルでね。これまでの方が屈みすぎて、煽ってるようなスイングだった。今の状態で打って、2割7分打ったら10本以上打ちますよ。小力ありますからね。納得してやっているのはすごくいいこと。疑問を持ってやっていたら向上しない。アーリーも進んでやってるし、必ず身になると思います」と藤本監督。指揮官の期待も一身に受けながら、甲斐が“城島2世”になる。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)