手に入れた5年前より動ける体 所属先未定の田澤純一が今季への準備を続ける理由
「しっかり準備しながらオファーを待ちたい」
コロナ禍以前のオフには、日本のプロ野球選手がこぞって渡米し、最新トレーニング施設の門を叩いた。同じ頃、米国を主戦場としていた田澤は筑波大でプロジェクトを開始していることは興味深い。
「最先端はアメリカかもしれないけど、日本にも素晴らしいメソッドを持った方々がいる。アメリカに負けない一流が揃っています。僕にはこのプロジェクトが合っていると思うし、本当に出会えて良かったと思います」
自分がプロになりたい場所として米国を選び、さらなる成長を求めてトレーニングする場所として日本を選ぶ。自分の気持ちに対して素直に行動する姿勢は、何年経っても変わらない。
投げる準備は着々と進んでいる。本格的なピッチングは始めていないが、「肩を作っている段階としては順調に仕上がっています」と話す表情は明るい。ただ、今季の所属先は決まっていない。
「オファーもいただいていないし、どこで野球をやりたいか、こだわっている場合じゃない。僕に選択肢が少ないことは自分でも分かっているので、必要とされるところがあればどこでも。筑波大でのプロジェクトをはじめ、お世話になっている方々のためにも、長く野球を続けたいと思っています。自分がこれだけ投げられるようになったという姿を見せたいので。しっかり準備をしながらオファーを待ちたいと思います」
もしオファーが届かなければ「その時は決断しなければいけないのかなと思います」とも言うが、サポートしてくれる人たちのためにも自らサジは投げない。35歳でもなお成長する姿を、マウンドで見せつけたい。