「頂点を、つかむ。」 ロッテ井口監督が明かすスローガンに込めた強い想い

ロッテ・井口資仁監督【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】
ロッテ・井口資仁監督【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】

新人離れした吸収力と対応力を持つ松川「何の違和感もなくドッシリ」

 第2クールを終えて、野手では山口航輝、和田康士朗の動きが非常にいいと思います。特に康士朗はバットのスイングが非常に強くなりました。相当練習してきたようです。投手陣は、今年から木村龍治投手コーチが加わったことがいい刺激にもなっているようです。改めてアピールしなければいけないですから。また、木村コーチはトレーニングコーチの経験もあるので、投手コーチ+トレーニングコーチという両方の観点から勝つための練習メニューを提案してくれる。体のことも考えながら、選手の限界ギリギリを攻める内容にしてくれています。

 そんな中、やはり(佐々木)朗希の状態は目を見張るものがあります。ブルペンでは初回からかなり飛ばしていましたが、昨年より筋量も体重もかなり増えましたし、自信と責任感を持った顔になってきました。オフの間も1日も欠かさず野球のことを考えていたようです。本人は開幕ローテ入りが目標だと言っているようですが、それは最低限の話。先発ローテーションを1年守る中でどれだけのピッチングを見せてくれるのか。そこを楽しみにしています。

 もう1人、目に留まったのが松川虎生ですね。高校生ルーキーなのにキャンプイン初日から何の違和感もなくドッシリとチームに馴染んでいる。スイングも安定しているし、右中間にしっかり打てるタイプ。いろいろな意味で引けを取らない頼もしさがあります。投手への声の掛け方や投内連携での指示の出し方もいいし、コーチからアドバイスを受けると翌日にはしっかり修正されている。吸収する能力や対応力が非常に高い選手ですね。こういう選手は高いレベルを経験させると伸びていくタイプ。そういった点も考慮しながら、どうやって育てていくか考えていきたいと思います。

 松川が加わったことで、今年はキャッチャー陣にいい競争が生まれそうです。昨年は田村(龍弘)が怪我で離脱した間、柿沼(友哉)がその穴を埋め、トレードで加藤(匠馬)が移籍してきた。打撃のいい佐藤都志也もいます。どんな争いになるのか楽しみですね。

 キャッチャーだけではなく、野手も投手もまだポジションはすべて白紙です。ある程度の構想は頭の中にありますが、キャンプが進むにつれ、印象は大きく変わりつつあります。15日から沖縄本島で実戦が始まりますが、中堅やベテランが本格的に加わってくる前に、若手がどれだけアピールできるか。「中堅やベテランが来る前にポジションを取ってしまえ」とハッパを掛けていますが、第3クールで何を見せてくれるのか、期待感しかありません。

 ファンの皆さんにも、今年は期待を持っていただきたいと思います。ファンの皆さんとも一緒に「頂点を、つかむ。」という目標だけを目指していきたい。おそらく「いよいよこういう年が来たか」という想いと「そろそろ行けるだろう」という想いがあると思います。その両方の想いに応えられるよう、我々はしっかりといい準備を重ねていくのみ。期待していてください。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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