阪神は守護神の穴をどう埋める? 球団OBが推すガンケルの救援起用とドラ3新人の抜擢

ガンケルは「クローザーまで考えてもいいかもしれない」

「コントロールが良くて球威もある。三振をバッタバッタと取るタイプではないが、安定感が抜群。8回を任せてもいいし、クローザーまで考えてもいいかもしれない」とまで言う。「もちろん、ガンケル抜きでも先発要員が6人揃うことが条件だが、青柳、秋山、西勇、伊藤将、及川、藤浪、アルカンタラがいて、左肘のクリーニング手術で出遅れる高橋も、それほど時間はかからないと聞いている。頭数は足りるのではないか」と、仮にガンケルをリリーフに回したとしても、先発陣に不安はないと見る。

 さらに、ルーキーにも可能性を感じた。この日のシート打撃には、ドラフト3位の左腕・桐敷拓馬(きりしき・たくま)投手も登板。打者5人を無安打1四球1奪三振に抑えた。特に、マルテを内角に食い込むスライダーでどん詰まりの遊ゴロに仕留めたシーンは印象的で、野口氏は「プロ入り後初の実戦形式での登板で、緊張感も疲労もある中で堂々と投げていた」と目を細めていた。

「スアレスの穴を1人で埋めるのは大変。シーズンを通して活躍することは難しくても、1か月間ならなんとかなるという投手が、入れ替わり立ち代わり役割を果たしていくことならできるかもしれない。そういう意味で、桐敷もそうだが、石井、小川、小林、浜地、湯浅ら楽しみな投手は多い」とも語る。今季は、延長12回まで行われる。「7、8、9回に勝ちパターンの救援陣を注ぎ込んでも、決着がつかず、その次に投げる投手が重要になるケースが増える」。鍵を握るのは救援陣。スアレスの抜けた穴を“数の力”で埋め、矢野阪神は優勝に近づくことができるか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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