前田健太とTシャツ合作 独特過ぎる画風でバズった“野球イラストレーター”の正体は?
原案・前田健太、イラスト・りおたの「合作」でバズる
どんな世界でもそうだが、地位はすぐに築けるものではない。そこからも雌伏の時は続いた。転機になったのは、世界が新型コロナ禍に覆われた2020年だ。インスタグラムへの投稿を続けていると、モチーフとなった選手から直接反応をもらえることが増えてきた。斉藤和巳さん(元ソフトバンク)、G.G.佐藤さん(元西武)、そして日本ハムの新庄剛志監督からも、2020年末に現役復帰を目指してトライアウトを受験した際のイラストに「反応」をもらったことがある。
2020年には、野球イラストの世界にさらに“ハマる”きっかけがあった。この年からツインズに移籍した前田健太投手が、自身のツイッターの「アイコン」に使うアートを求めていたのだ。ダメ元で送ったところ、不採用ではあったが本人から連絡が来た。それも「以前から絵を描いて頂いてたのを、実は少し見させて頂いてました!」という望外なものだった。
りおたさんの画風や表現スタイルが気に入られたのか、時々インスタグラムで前田投手を描いた作品を紹介してもらえるなどの交流が始まった。そして昨夏「チームメートを描いたイラストTシャツを作りたいので、協力して下さる方を募集しています!」という前田投手発の企画に飛び付いた。
描き起こしてほしいと求められたのは、ベネズエラ出身のウィリアンズ・アストゥディーヨ捕手。日本では決して有名ではなく、どんな選手なのか写真を探すところからのスタートだった。「ぽっちゃりしていて、特徴がはっきりしている。描きやすい選手でしたね。マエケンさんからは『力士のイメージで』という注文でした。やはり外国の方からすると、日本=相撲というイメージが強いじゃないですか。そこに2か国の国旗を交えて、日本とベネズエラの友好のようなイメージで仕上げてほしいとのお題でした」。
アストゥーディヨが土俵入りしているイラストを描き上げると、無事に採用された。さらにそこからの広がり方は、想像を超えていた。前田はこのイラストをTシャツにして、アストゥーディヨと揃って着用している姿を自身のインスタグラムで公開。さらにエンゼルス戦の試合前、大谷翔平投手と談笑する前田がこのTシャツを着ている姿が各媒体で報じられた。