楽天、実績十分の先発陣に待ったをかける若手3人衆 石井監督が求める「荒々しさ」

練習試合に先発した楽天・西口直人【写真:宮脇広久】
練習試合に先発した楽天・西口直人【写真:宮脇広久】

通算538勝の4本柱で昨季30勝32敗の誤算

 3人は口をそろえるように「実績のある人たちが揃っているが、怪我やコンディション不良を待つのではなく、5~6枠目をもぎ取るつもりで」「そうそうたる顔ぶれに割って入れるように」と話す。実際、ハードルが高いのは間違いない。昨年の今ごろは、田中将、涌井、岸、則本の先発4本柱が“通算538勝ローテ”(昨季開幕前の時点での4人の日米通算勝利数合計)と注目されていた。

 だが、ふたを開けてみれば、田中将は防御率3.01をマークしながら打線の援護に恵まれず、まさかの4勝9敗。開幕から無傷の4連勝と好発進した涌井も、後半は失速して6勝8敗、防御率5.04。則本は11勝5敗、防御率3.17の好成績を残したが、岸は9勝10敗と負け越した(防御率3.44)。4人で30勝32敗は誤算だった。その代わり、ドラフト1位ルーキーの早川が9勝7敗、防御率3.86。当初“第6の男”扱いだった滝中も、2桁の10勝(5敗、防御率3.21)を挙げた。

 仕切り直しの今年、岸は38歳、キャンプ2軍スタートとなった涌井は36歳になる。6つの先発ローテ枠をゲットするのは果たして誰だろうか。

 石井監督は“若手3人衆”に「結果を恐れて小さくなるのではなく、荒々しく自分の良さをアピールしてほしい」と求める。「プロである以上、もちろん結果が大事だけれど、次も見てみたいと思わせる前向きな気持ちが大事。そうすれば、もし開幕1軍を逃したとしても、1か月後、2か月後にチャンスがある。僕らも『あいつ何をしてるのかな』と思えるから」と期待する。GM兼任だけになおさら、来季以降も視野に入れ先発投手陣の底上げを待望している。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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