キャンプの“テスト生”から這い上がった選手たち　日本シリーズMVPや本塁打王の例も

テスト合格、育成契約から日本シリーズMVPとなった中村紀洋

　オリックスのキャンプに19日から、元日本ハムの中村勝投手がテスト生として参加している。日本ハムを2019年限りで自由契約となったのち、豪州のウインターリーグ、メキシカンリーグを経由してのNPB再挑戦だ。過去には同じくこの時期、キャンプでテストを受けて入団を勝ち取り、シーズンで活躍した選手もいる。「背番号のないユニホーム」から這い上がった男たちをまとめてみよう。

　近年の打者で代表的な存在は、NPB通算2101安打、404本塁打の強打者・中村紀洋だ。2004年まで近鉄でプレーし、2005年には米球界へ。2006年に古巣が合併したオリックスへ“復帰”したものの、85試合で12本塁打に終わる。オフの契約交渉では大幅減の提示に納得せず、2007年1月になって自由契約選手として公示された。

　中村紀は2月になっても自主トレーニングを続け、15日になって中日のキャンプにテスト生として参加。25日に育成選手としての入団が決まった。背番号は205。そのままオープン戦でも結果を残し、開幕直前には支配下へ昇格。背番号は2桁の99となった。

　シーズンでは打率.293、20本塁打、79打点の好成績を残すと、日本ハムとの日本シリーズでは打率.444、4打点を残しMVPに輝き、男泣きした。