OBが感じた阪神・藤浪の“復活の兆し” 菅野へ弟子入りし「いいヒント得たのかも」
野口寿浩氏「あとはこの投球フォームをキープしていけるかどうか」
野口氏は「これで今年は絶対大丈夫、とまで言うのはさすがに時期尚早だが、現時点でバランスのいい投球フォームになっているのは確か」と話す。
「右腕をトップの位置へ上げていく段階で、非常にリラックスできている所が良い。昨年まではこの段階で力んでいて上体が突っ込み、腕が遠回りをしていた。今は藤浪本来のトップの位置をつくれて、リリースの瞬間にパワーを集中させることができている」と技術的な根拠を指摘。「1月の巨人・菅野との自主トレで、いいヒントを得たのかもしれませんね」とうなずいた。
藤浪はルーキーイヤーの2013年から3年連続2桁勝利を挙げたが、その後は極端な制球難に陥った。昨年は自身初の開幕投手に指名されたものの、試行錯誤は続き6月には中継ぎに配転。シーズン成績も3勝3敗4ホールド、防御率5.21にとどまった。オフには生き残りをかけ、あえてライバルチームのエース、菅野に弟子入り。自主トレに同行してアドバイスを受けながら、投球フォームを見直した。
「あとはシーズンを通して、このフォームをキープしていけるかどうか。先発ローテーションに入って2桁勝利を挙げるようなら、阪神が優勝を狙う上で非常に大きい」と野口氏。求められているのは、針の穴を通すコントロールではない。抜群の球威があるだけに、試合と自分のピッチングをぶち壊しにしない程度の四死球数に抑えられれば、十分白星はついてくるはずだ。もう1度、スターダムにのし上がる年となるか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)