「この瞬間、描いた方がいい」旬を逃さず野球イラスト“バズらせた”描き手の哲学とは
「アメトーーク!」を見てから15分で公開、ジョーンズ本人も反応
「ジョーンズ選手は愛すべきツッコミどころはありましたが、時折見せるホームランの飛距離はやっぱりMLBのスーパースターでしたよね。ミスをした若手を励まして勇気づけている場面もあったり、長所も短所も含めて人間味が溢れていて、たまらなく好きだなぁと思っていました」
スケッチブックを手にとり、下描きが2、3分。さらにパソコンで仕上げて完成まで15分の早業だったという。自身のツイッターにアップすると、あっという間にバズった。深夜だったこともあり、米国に帰国していたジョーンズが目にして、すぐ自身のツイッターで拡散。さらにアイコンにまで使ってくれた。
「あれこそまさに『今じゃないと意味がない1枚』でしたね。同じ絵を翌日や、数日後に出したところでもうウケないと思うんです。特にスポーツを描く上では、絶対に旬な時期があるので。仕事もあるのでいつもとはいきませんが、描ける限りはと思っています。国際大会などでファンの熱が高まっている時に、タイムリーなものを出したい。広まれば認知してもらえるチャンスですし、いつも以上に共感してもらえる。自分の気持ちもそこに乗っかった嘘偽りのない一枚が出来ると思います」
ジョーンズに限らず、選手から直接の反応も増えて来た。阪神期待の若手・及川雅貴投手からはインスタグラムにメッセージが届き、イラストを提供することになったという。
「野球選手というかアスリートには、自身がファンや世間にどれだけ『親しまれているのか、認知されているのか』を気にしている人が多いと思うんです。だからイラストを描いたらとにかくタグをつけて、SNSにメンションもする。本人に見てもらえなければ意味がないというつもりでやっています。ウザがられたり、嫌がられてないと良いのですが、そこは勇気を持って……ですね」
今後は球団公式の仕事や、グッズのデザインをしてみたいという野望もある。そして描いてみたいのが、新庄剛志監督の就任で注目を集める日本ハムの新ユニホームだ。ファンの間では賛否両論の変化も「いまのNPBは黒とか紺の帽子ばかり。原色に近い色は新鮮ですし、これで10年、20年とやっていきたいという覚悟を感じます。ロゴも、他のスポーツで見られるようなシンプル化への動きを取り入れている感じがしますね」とデザインのプロには好印象だったよう。イラストへの“ビッグボス”登場も近そうだ。