“芸術的”内角打ちに開花の予感 オリの21歳に専門家驚嘆「お手本のような打撃」

大きな壁の安達、追って来る野口…中嶋監督「競争で行くしかない」

 対照的に1歳下の紅林は、シーズンを通して1軍に定着し、打率はパ・リーグの規定打席到達者29人中27位の.228にとどまったものの、2桁の10本塁打と48打点をマークし爪痕を残した。実際、いずれもリーグ2位の13勝&防御率2.51をマークした宮城大弥投手と紅林の“高卒2年目コンビ”、それに7年目で三塁の定位置を獲得した宗佑磨内野手の台頭は、オリックスをリーグ優勝へ強く後押しした。太田はこれに乗り遅れた格好だ。

 昨年のオリックスで、二塁手として最多の73試合にスタメン出場したのは、34歳のベテランの安達了一内野手だった(太田のスタメン二塁は40試合)。野口氏は「安達は守備もうまいし、打撃も送らせてよし、進塁打を打たせてよし、エンドランをやらせてもよし。太田にとってそう簡単に超えられる相手ではありません」と大きな壁の存在を指摘。さらに、ドラフト2位ルーキーの野口智哉内野手も二塁と遊撃をこなし、この日は7番・二塁で先発。太田にとっても、さらには紅林にとっても脅威となりそうだ。

 若手の勢いをリーグ優勝につなげた中嶋聡監督にとって、怖いのは慢心。だからこそ、太田の本塁打も手放しで褒めたりはせず、「続けていくしかないし、しがみついていくしかない。常に競争でいくしかない」とチーム内での争いを促した。

 そんな中、太田は「昨年のオフから低くて強い打球を求めてやってきました。今のところ、自分の思った通りにできていると思います」と手応えを感じている。1年遅れのブレークを果たし、連覇の原動力となるか。

【実際の映像】「お手本のような打撃」と専門家も驚嘆したオリ太田椋の“芸術的”内角打ち

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