2年前の賭けは大失敗か… ヤ軍期待の星が極度の不振、懸念される負のスパイラル

ヤンキースのグレイバー・トーレス【写真:Getty Images】
ヤンキースのグレイバー・トーレス【写真:Getty Images】

ルメイヒューは「二塁でのプレーが最も価値ある」とされるも遊撃練習も

 ニューヨーク紙「ニューヨーク・デイリーニュース」が「グレイバー・トーレスの不透明さが今季のDJ・ルメイヒューや他の内野陣にどういった影響を及ぼすか」と題して、低迷するトーレスについて言及した。

 ヤンキースは昨年9月に遊撃手としてのトーレスに見切りをつけ二塁にコンバートしたものの、遊撃手の補強を行わないままロックアウトに突入した。コーリー・シーガーとマーカス・セミエンはレンジャーズ入りし、ハビアー・バエスはタイガース入りが決定。それでもカルロス・コレアとトレバー・ストーリーはまだ遊撃手のFA市場に残っている。

 首位打者2度&二塁手としてゴールドグラブ賞3度を誇るルメイヒューは、来季はどのポジションを守ることになると思うか聞かれ「内野のポジション3つを守れる能力が僕にはある。問題ないさ」と応じた。実際にチーム事情で最近3年間は一塁手や三塁手としてもプレー機会があった。記事では「二塁でプレーする場合が最も価値ある」とされたが、遊撃の練習を行ったことにも触れている。

 6年9000万ドル(約104億円)の大型契約を結んでいるルメイヒューについて、一塁と三塁で交互に使う場合は「ヤンキースは金額に見合うだけの価値を得ることはない」と指摘。“遊撃・トーレス”は失敗に終わったため、ヤンキースは苦難に陥っている。

 遊撃手として新人時代は21試合、2年目は77試合出場し優秀な成績を残したトーレスに「ヤンキースにとっては、あのパワーは守備の拙さに目をつぶるほど優れていたし、ディディ・グレゴリアス(元ヤ軍正遊撃手)がFAで退団し、この先はトーレスに遊撃を務めてもらうつもりだった」と大きな期待を寄せていた。

 しかし新人からの2年間で計62発、167打点を挙げた打撃力は「完全に消滅した」と厳しく評価。遊撃手にコンバートされた2020年と2021年は成績が著しく低迷し、昨季は127試合出場で打率.259、9本塁打51打点だった。平均値を0としたDRS(同じ守備機会を同じポジションの平均的な野手が守る場合に比べて、どれだけ失点を防いだかを表す指標)は-10で、昨季の遊撃手として球界ワースト2位だった。

 球界屈指の長距離打者であるアーロン・ジャッジ外野手と共に、チームを背負う存在と目されていたかつての有望株が陥っている極度の不振。正遊撃手を放出しトーレスに賭けた2年前の決断は、現状では裏目に出ていることは明らかだ。ヤンキースはトーレスをどのように起用し、復活への道を探るのだろうか。

(Full-Count編集部)

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