労使交渉難航は「拷問だ」 球団施設使えずに駐車場で練習…現役選手は“悪戦苦闘”
労使交渉難航で現役選手は球団施設を使えず、ジ軍ヤストレムスキー「ストレスだ」
メジャーリーグの新労使協定を巡る機構と選手会の交渉はなかなか決着が見えてこない。3月31日(日本時間4月1日)のレギュラーシーズン開幕も難しい見通しが出てくる中、メジャーリーガーはどういう心境なのだろうか。米スポーツ局ESPNなどが伝えている。
12月初旬からロックアウトに突入し、選手会に所属するメジャーリーガーは球場や球団施設に入ることもできない。ジャイアンツのマイク・ヤストレムスキー外野手は母校・バンタービルト大で練習しているという。ロックアウト前に渡されたトレーニングメニューを自主的にこなす日々。「拷問だ。野球をしよう。もうたくさんだ。(労使協定締結を待つ時間は)ストレスだ。退屈だし。みんな大好きなこと、つまり野球がしたい。日常を取り戻したい。この2シーズン特にそうじゃない時間(非日常)が続いたし」と厳しい現状を打ち明けている。
米大学球界の強豪チームであるバンダービルト大では10数人のメジャーリーガーが集まっている。もちろん合同自主トレではない。しかも、自主トレ時間は現役の大学生たちの練習前と時間は限られている。アスレチックスのトニー・ケンプ内野手「最近じゃ“まだ新しい情報はないけど、きっと近々何かがまとまると思うよ。何が起きてるかわからないけど、今後2週間でどうにかなるだろう”って返してるよ。自分は楽観主義者だから、きっとすべてうまくいくと思ってる」と話すように、開き直るしかないようだ。
一流選手も落ち着きを欠く中での練習となっているようだ。AP通信は「ロックアウトで宙ぶらりん:ジャッジ、セールら選手はなまらないよう練習場所を探しだしている」との見出しで報道。レッドソックスのエース左腕クリス・セールはキャンプ地に近い母校・フロリダ・ガルフコースト大学で練習しているという。
ヤンキースのDJ・ルメイヒュー内野手は同僚ルーク・ボイト内野手らとサウスフロリダ大で練習。「大学生選手が手伝ってくれている。素晴らしいよ。大学生が僕らと一緒に励んでくれる。それに、違うチームの選手たちとトレーニングできているのも、いい経験」と、キャンプさながらの実戦練習もできているという。
だが、一方では珍しい場所でトレーニングする選手も。レイズのニック・アンダーソン投手は「フィジカルセラピストの事務所の駐車場」だという。「肘の故障で開幕を故障者リストで迎える見込みのため、治療を受けた後ここでキャッチボールをしている」。
2月末までに新労使協定が成立しなければ、シーズン開幕の遅れだけでなく、162試合制のレギュラーシーズンの試合を削減せざるを得ない。一刻も早い決着を期待したいところだ。