死闘を制し「怖いものなくなった」 甲子園沸かせた“ほほ笑み王子”が語る夏の記憶

2006年夏の甲子園に静岡商のエースとして出場した大野健介さん(右)【写真:共同通信社】
2006年夏の甲子園に静岡商のエースとして出場した大野健介さん(右)【写真:共同通信社】

「ターニングポイント」になった日大三島との2006年静岡大会3回戦

 あの死闘がなかったら――。静岡商のエースとして夏の甲子園に出場し、昨年末で現役生活にピリオドを打ったヤマハの大野健介さんが、「ほほ笑み王子」誕生のきっかけを明かした。自身の野球人生でターニングポイントとなった試合があったという。

「マウンドを降りた時、もう終わったなとあきらめました。あの試合で負けていたら、ここまで野球を続けられなかったと思います。高校時代で一番記憶に残っている試合で、自分自身のターニングポイントになりました。当時のチームメートに感謝しています」

 昨年12月で現役を引退したヤマハの大野健介さんには、15年経っても鮮明に覚えている記憶がある。「あの試合」と振り返ったのは2006年7月24日、夏の甲子園切符をかけた静岡大会3回戦だった。日大三島との一戦は両チーム譲らず、延長戦にもつれこんだ。当時2年生だった大野さんはエースとしてマウンドを守り抜いていた。だが、蓄積する疲労で制球が定まらず、延長13回に日大三島打線につかまった。

「球場に霧がかかって2時間くらい試合が中断しました。中断前の時点で200球くらい投げていました。試合再開前にウォーミングアップもしたのですが体がバリバリで思うように動かず、死球や長打を許して降板しました」

「あの試合の後から自然と笑顔が出るようになった」

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