サイ・ヤング賞&本塁打王で2年連続MVP? 大谷翔平に前代未聞の快挙を期待できちゃうワケ

今季は四球攻め回避による打撃成績向上にも期待【写真:AP】
今季は四球攻め回避による打撃成績向上にも期待【写真:AP】

投手でイニング数の増加、打者では四球攻め回避による成績向上が期待される

 打者はどうか。昨季はリーグ3位の46本塁打を放ち、158試合出場して打率.257、100打点、26盗塁。2020年まで登板前後に設けられてきた休養日を撤廃し、シーズン終盤までリーグの本塁打王争いを繰り広げた。2020年は左膝手術後の違和感に悩まされたが、「しっかりトレーニングも出来てますし、オフシーズンも健康体でトレーニング出来たのが良かった」と万全なコンディションが成績アップにつながった。

「甘い球をしっかり打って、それ以外のボール球を見逃す」というのが打撃のポリシー。それでも、昨季終盤は“四球禍”に阻まれた。昨年9月24日の本拠地マリナーズ戦ではメジャータイ記録の3試合11四球を記録。最大の原因はトラウト、レンドンらを主軸を欠いた貧打線で、ポストシーズン進出へ1試合も落とせない球団にとっては得点力のある大谷との勝負を避けるのは当然だった。

「来年は僕以上にいい打者が打線に並ぶ。そういう意味では今年みたいな攻めにはならないかなと思いますし、なったとしても今年の経験を踏まえて、冷静にバッターボックスの中で仕事が出来れば」。ユニバーサルDH(両リーグでDH制)が正式に導入されれば、成績の後押しにもなるだろう。再び本塁打王争いに加われる可能性は十分ありそうだ。

 毎年スプリングトレーニングで大きな変化を見せてきた。2018年オフの右肘手術から投手復活を目指した2020年は“肩メロン”ボディが話題となり、昨春は体重102キロと下半身がどっしりしたボディでオープン戦から躍動。投手で10回1/3で17奪三振、打者では打率.548、5本塁打、8打点と結果を出した。

 昨季終了後、オフのトレーニングについて、「もっともっとハードなものにしたい。まだまだ上にいけると思っている。今年以上のパフォーマンスが出せるような、そういうオフシーズンにしたい」と語っていた。サイ・ヤング賞に本塁打王、そして2年連続MVP。大谷が思い描くようなプレーでシーズンを完走すれば、前代未聞の受賞ラッシュも夢物語ではない。

○著者プロフィール
小谷真弥(こたに・まさや)1983年、大阪・大阪狭山市生まれ。埼玉・東松山市育ち。明大明治高、明大野球部を経て2006年報知新聞社に入社。地方部(富山・石川)を経て09年に運動第一部(野球部)へ異動。09年ロッテ、10、11年横浜、12年から巨人、15年から日本ハム、17年からメジャー担当。19年2月からFull-Count編集部に所属。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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